「何回言っても片付けない」
「宿題をやりなさいと言っても動かない」
「ゲームをやめる約束なのに、全然やめない」
小学生の子どもを持つ保護者にとって、「親の言うことを聞かない」という悩みはとても身近です。
毎日のように注意しているのに、子どもが動かない。
返事だけして結局やらない。
注意すると口答えされる。
このような状態が続くと、親も疲れてしまいます。
しかし、小学生が親の言うことを聞かない背景には、子どもなりの理由があることもあります。
この記事では、小学生が親の言うことを聞かない理由と、家庭でできる接し方について分かりやすく解説します。
小学生が親の言うことを聞かないのは珍しいことではない
小学生になると、子どもは少しずつ自分の考えを持つようになります。
幼児期のように、親の言うことをそのまま聞くだけではなくなります。
特に高学年になると、
「自分で決めたい」
「指図されたくない」
「親に細かく言われたくない」
という気持ちが強くなることがあります。
これは成長の一部でもあります。
もちろん、何でも自由にさせてよいわけではありません。
ただ、親の言うことを聞かないからといって、すぐに「悪い子」「わがまま」と決めつける必要はありません。
まずは、なぜ聞かないのかを考えることが大切です。
小学生の反抗期については、「小学生の反抗期はいつから?」でも詳しく解説しています。
小学生が親の言うことを聞かない主な理由
1. 何をすればいいか具体的に分かっていない
親は「ちゃんとして」「早くして」「片付けて」と言うことがあります。
しかし、子どもにとっては、何をどこまでやればいいのか分かりにくい場合があります。
例えば「片付けて」と言われても、
- 机の上だけ片付けるのか
- おもちゃを箱に入れるのか
- ランドセルの中も整理するのか
- いつまでに終わらせるのか
が分からないことがあります。
親の言葉が抽象的だと、子どもは動きにくくなります。
2. 今やりたいことを優先している
小学生は、先のことよりも目の前の楽しさを優先しやすいです。
ゲーム、動画、友達との遊び、好きな本などに夢中になっていると、親の声が後回しになります。
親から見ると「言うことを聞かない」と感じますが、子どもは単に今やっていることに集中している場合もあります。
特にゲームや動画は区切りがつきにくいため、すぐにやめるのが難しいことがあります。
ゲーム時間のルールについては、「小学生のゲーム時間は1日何時間まで?」でも解説しています。
3. 親に言われすぎて聞き流している
毎日同じことを何度も言われていると、子どもは親の言葉を聞き流すようになることがあります。
例えば、
「宿題やったの?」
「早くしなさい」
「ゲームやめなさい」
「片付けなさい」
と何度も言われると、子どもは注意されることに慣れてしまいます。
その結果、親が本気で言っていることでも、子どもには響きにくくなります。
親としては心配だから声をかけているのですが、言い方や回数によっては逆効果になることもあります。
「勉強しろ」と言わない方がいい理由については、「勉強しろと言わない方がいい?」でも詳しく解説しています。
4. 命令されると反発したくなる
小学生の高学年になると、自分で決めたい気持ちが強くなります。
そのため、親から命令されると反発しやすくなります。
例えば、
「今すぐ宿題しなさい」
「早くお風呂に入りなさい」
「ゲームをやめなさい」
と言われると、内容が正しくても、言われ方に反応してしまうことがあります。
子どもは「やらない」と思っていたわけではなくても、命令されたことでやる気が下がる場合があります。
5. 疲れている・余裕がない
子どもが親の言うことを聞かないとき、疲れている場合もあります。
学校で授業を受け、友達関係に気を使い、習い事や宿題もあると、子どもなりに疲れています。
疲れていると、親の声かけに素直に反応する余裕がなくなります。
特に帰宅直後や寝る前は、イライラしやすい時間帯です。
親の言うことを聞かないように見えても、実は心身の疲れが影響していることもあります。
6. 親の言葉より行動を見ている
子どもは、親の言葉だけでなく行動もよく見ています。
例えば、親がスマホを見ながら「ゲームをやめなさい」と言っても、子どもは納得しにくいことがあります。
また、親が約束を守らないことが多いと、子どもも約束を軽く考えるようになる場合があります。
子どもにルールを守ってほしいときは、親自身の行動も大切になります。
親がやりがちな逆効果の対応
何度も同じことを言い続ける
何度も言えば動くように見えることもあります。
しかし、毎回何度も言わないと動かない状態になると、子どもは「最後に強く言われるまで動かなくていい」と学んでしまうことがあります。
注意の回数を増やすより、最初から具体的に伝え、守れなかったときの対応を決めておく方が効果的です。
感情的に怒る
親の言うことを聞かないと、つい怒りたくなります。
しかし、感情的に怒ると、子どもは内容よりも「怒られた」という印象が強く残ります。
その結果、
「どうせ怒られる」
「またうるさいことを言っている」
と感じて、ますます聞く耳を持ちにくくなることがあります。
子どもに怒ると勉強面でも逆効果になりやすい理由については、「子どもに怒ると勉強は逆効果?」でも解説しています。
正論で押し切る
親の言っていることが正しい場合でも、正論だけでは子どもが動かないことがあります。
例えば、
「宿題をやらないと困るよ」
「中学に入ってから大変だよ」
「今やらないと将来困るよ」
という言葉は、親としては当然の心配です。
しかし、小学生にとって将来の話は遠く感じられることがあります。
正論を伝えるだけでなく、今すぐ何をすればよいかまで具体的にすることが大切です。
親の言うことを聞きやすくする接し方
1. 指示は短く具体的にする
子どもに動いてほしいときは、短く具体的に伝えましょう。
例えば、
「ちゃんとして」ではなく、
「ランドセルを玄関から自分の部屋に持っていこう」
「早くして」ではなく、
「7時までにお風呂に入ろう」
「勉強しなさい」ではなく、
「算数の宿題を1ページやろう」
というようにします。
子どもが何をすればいいか分かる言い方にすることが大切です。
2. 命令より選択肢を出す
反発しやすい子には、命令より選択肢を出す方が効果的なことがあります。
例えば、
「今すぐ宿題しなさい」
ではなく、
「夕飯の前にやる?それともお風呂の前にやる?」
という言い方です。
選択肢があると、子どもは自分で決めた感覚を持ちやすくなります。
もちろん、どちらも親が許容できる選択肢にすることが大切です。
3. 先に予定を伝えておく
いきなり「今すぐやめなさい」と言うと、子どもは反発しやすくなります。
特にゲームや動画をしているときは、急にやめるのが難しいことがあります。
そのため、
「あと10分で終わりにしよう」
「この動画が終わったらお風呂にしよう」
「この試合が終わったら宿題にしよう」
と、少し前に伝えておくと切り替えやすくなります。
4. ルールを見える形にする
家庭のルールは、口約束だけだと忘れやすくなります。
ゲーム、宿題、寝る時間、片付けなどは、紙に書いて見える場所に置くと分かりやすいです。
例えば、
- 宿題が終わってからゲーム
- 夜8時以降はゲームをしない
- 食事中はスマホを見ない
- 寝る前に明日の準備をする
というように、シンプルなルールにします。
ルールが見えると、親も毎回感情的に注意しなくて済みます。
5. できた行動を認める
親の言うことを聞かないところばかり見ていると、親も子どももつらくなります。
少しでもできた行動があれば、そこを認めましょう。
例えば、
「今日は1回で動けたね」
「自分でゲームを終われたね」
「宿題を始められたのはよかったね」
という声かけです。
大げさにほめる必要はありません。
できた行動を言葉にするだけでも、子どもは認められたと感じやすくなります。
親子げんかを減らすための声かけ例
親の言うことを聞かない子には、声かけの言い方を少し変えるだけでも反応が変わることがあります。
例えば、次のような声かけです。
「今、何から始める?」
「あと何分で終われそう?」
「どういう順番ならできそう?」
「ゲームの前に何を終わらせる約束だった?」
「今すぐじゃなくてもいいから、何時から始める?」
このように、命令ではなく確認や相談の形にすると、子どもが反発しにくくなることがあります。
どうしても言うことを聞かないとき
親が工夫しても、すぐに変わらないことはあります。
その場合は、無理にその場で言い負かそうとしないことも大切です。
子どもが興奮しているときは、話し合いになりにくいです。
一度時間を置いてから、
「さっきのことを少し話そう」
と落ち着いたタイミングで話す方がよい場合もあります。
また、暴力、極端な暴言、学校生活への影響、強い不安や落ち込みが続く場合は、家庭だけで抱え込まないようにしましょう。
学校の先生、スクールカウンセラー、自治体の相談窓口などに相談することも大切です。
まとめ
小学生が親の言うことを聞かない理由には、いくつかの背景があります。
例えば、
- 何をすればいいか具体的に分かっていない
- 今やりたいことを優先している
- 親に言われすぎて聞き流している
- 命令されると反発したくなる
- 疲れていて余裕がない
- 親の言葉より行動を見ている
といったものです。
親ができる対応は、
- 指示を短く具体的にする
- 命令より選択肢を出す
- 先に予定を伝える
- ルールを見える形にする
- できた行動を認める
ことです。
親の言うことを聞かないと、ついイライラしてしまいます。
しかし、子どもが反発する背景を見ながら、伝え方やルールの作り方を少しずつ整えていくことが大切です。
すぐに完璧に変わらなくても大丈夫です。
親子げんかを減らしながら、子どもが自分で動ける形を少しずつ作っていきましょう。