「何度言っても部屋を片付けない」
「机の上がいつもぐちゃぐちゃ」
「ランドセルやプリントが散らかっていて、忘れ物も多い」
小学生の子どもを持つ保護者にとって、片付けの悩みはとても身近です。
毎日「片付けなさい」と言っているのに、なかなか片付かない。
親が片付けても、すぐにまた散らかる。
子どもに任せると、どこから手をつければいいのか分からず、結局そのままになってしまう。
このような状態が続くと、親もイライラしてしまいます。
しかし、小学生が片付けできない理由は、単にだらしないからとは限りません。
片付け方が分からない、物の置き場所が決まっていない、必要な物と不要な物を分けられない、親の指示が抽象的すぎるなど、さまざまな原因があります。
この記事では、小学生が片付けできない原因と、家庭でできる仕組み作り、親が気をつけたい声かけについて解説します。
小学生が片付けできないのは珍しいことではない
小学生は、まだ整理整頓の力が発達途中です。
大人にとっては簡単に見える片付けでも、子どもにとっては難しい作業であることがあります。
片付けには、
- 物を分類する
- 必要な物と不要な物を分ける
- 置き場所を決める
- 元の場所に戻す
- 最後までやり切る
という力が必要です。
つまり、片付けは単純な作業ではなく、考える力や段取りの力も関係します。
そのため、「片付けなさい」と言われただけでは、子どもが何をすればいいのか分からないことがあります。
小学生が片付けできない主な原因
1. 何をすればいいか分かっていない
親が「片付けて」と言っても、子どもにとっては具体的に何をすればいいのか分からないことがあります。
例えば、
- 机の上を片付けるのか
- 床のおもちゃをしまうのか
- プリントを整理するのか
- ランドセルの中を出すのか
- 不要な物を捨てるのか
が分からないまま、ぼんやりしてしまうことがあります。
「片付けて」は大人にとっては分かりやすい言葉ですが、子どもには少し抽象的です。
まずは、やることを具体的に伝えることが大切です。
2. 物の置き場所が決まっていない
片付けが苦手な子の家庭では、物の置き場所が決まっていないことがあります。
置き場所が決まっていないと、子どもはどこに戻せばいいのか分かりません。
その結果、
- とりあえず机に置く
- 床に置く
- ランドセルに入れっぱなし
- 引き出しに押し込む
- なくしてしまう
という状態になりやすくなります。
片付けを習慣にするには、「どこに戻すか」を決めておくことが大切です。
3. 物が多すぎる
子どもの持ち物が多すぎると、片付けは難しくなります。
おもちゃ、文房具、プリント、本、工作、カード、ゲーム関連の物などが増えると、子どもだけでは整理しきれなくなることがあります。
収納場所に対して物が多すぎると、どれだけ片付けてもすぐに散らかります。
片付けが苦手な子には、片付け方を教える前に、物の量を減らすことが必要な場合もあります。
4. プリントや学校用品の管理が苦手
小学生の片付けで特に困りやすいのが、学校用品です。
プリント、連絡帳、宿題、教科書、ノート、給食袋、体操服など、学校関係の物は毎日出入りします。
これらの置き場所が決まっていないと、忘れ物や提出忘れにつながります。
小学生の忘れ物が多い原因については、「小学生の忘れ物が多い原因」でも詳しく解説しています。
5. 片付けを後回しにしてしまう
小学生は、目の前の楽しいことを優先しやすいです。
ゲーム、動画、友達との遊び、好きな本などに気持ちが向いていると、片付けは後回しになります。
「あとでやる」と言っていても、結局忘れてしまうこともあります。
これは、片付ける気がまったくないというより、まだ時間管理や優先順位をつける力が育っている途中だからです。
6. 親が毎回片付けてしまっている
子どもが片付けないと、親が代わりに片付けてしまうことがあります。
親が片付けた方が早いですし、部屋もすぐにきれいになります。
しかし、それが続くと、子どもは自分で片付ける機会を失ってしまいます。
「散らかしても親が片付けてくれる」と思ってしまうこともあります。
最初は時間がかかっても、子どもが自分で片付ける経験を少しずつ増やすことが大切です。
親がやりがちな逆効果の対応
「早く片付けなさい」と何度も言う
片付けない子を見ると、親は何度も声をかけたくなります。
しかし、「早く片付けなさい」と何度も言っても、子どもが動かないことがあります。
子どもにとっては、何をどこまでやればいいのか分からないままだからです。
小学生が親の言うことを聞かない理由については、「小学生が親の言うことを聞かない理由」でも詳しく解説しています。
「だらしない」と決めつける
片付けができない子に対して、
「本当にだらしない」
「何回言ってもできないね」
「部屋が汚い子だね」
と言ってしまうことがあります。
しかし、このような言葉は子どもの自信を下げやすいです。
片付けができない行動は改善が必要ですが、子ども自身を否定する必要はありません。
行動と人格を分けて考えることが大切です。
一気に全部片付けさせようとする
散らかった部屋を見て、親は全部きれいにしたくなります。
しかし、片付けが苦手な子にとって、一気に全部片付けるのは大変です。
どこから始めればいいか分からず、途中で嫌になってしまうことがあります。
まずは、机の上だけ、床の本だけ、ランドセルの中だけ、というように範囲を小さくすることが大切です。
親が完璧を求めすぎる
子どもが片付けた後、親から見るとまだ不十分なことがあります。
置き方が雑だったり、少し物が残っていたりするかもしれません。
そのたびに細かく直されると、子どもは「どうせ自分ではできない」と感じやすくなります。
最初から完璧を求めず、まずは自分で片付けようとしたことを認めることが大切です。
家庭でできる片付け対策
1. 片付ける場所を小さく分ける
片付けが苦手な子には、範囲を小さくすることが効果的です。
例えば、
- 机の上だけ
- 床に落ちている物だけ
- ランドセルの中だけ
- プリントだけ
- 文房具だけ
- 本棚の一段だけ
というようにします。
「部屋を片付けて」ではなく、「机の上のプリントだけまとめよう」と伝える方が動きやすくなります。
2. 物の住所を決める
片付けを習慣にするには、物の住所を決めることが大切です。
例えば、
- 鉛筆は筆箱
- プリントは専用の箱
- 宿題はランドセル
- ゲーム機はリビングの棚
- ハンカチは引き出し
- 給食袋は決まったかご
というように、戻す場所を決めます。
「使ったら元に戻す」ためには、そもそも戻す場所が必要です。
3. 収納は子どもが分かる形にする
収納が複雑すぎると、子どもは片付けにくくなります。
細かく分けすぎるより、最初はざっくりした収納の方が続きやすいことがあります。
例えば、
- プリント入れ
- 文房具入れ
- 学校用品入れ
- 遊び道具入れ
- もう使わない物入れ
くらいに分けるだけでも十分です。
子どもが見て分かるように、ラベルを貼るのもよいでしょう。
4. 片付けるタイミングを決める
片付けは、気づいたときにやるだけだと続きにくいです。
毎日の流れの中に入れると習慣になりやすくなります。
例えば、
- 学校から帰ったらランドセルを整理する
- 宿題の後に机の上を戻す
- ゲームの前に床の物を片付ける
- 寝る前に5分だけ片付ける
- 日曜日にプリントを整理する
というように、片付けるタイミングを決めます。
家庭学習の習慣づくりと同じように、片付けも生活の流れに入れることが大切です。
5. タイマーを使って短時間で行う
片付けが苦手な子には、タイマーを使う方法もあります。
「5分だけ片付けよう」
「タイマーが鳴るまで机の上を片付けよう」
という形です。
時間が短いと、子どもも取りかかりやすくなります。
長時間きれいにするより、短時間でも毎日戻す方が効果的です。
場面別の片付け方法
机の上が散らかっている場合
机の上が散らかっていると、勉強にも取りかかりにくくなります。
まずは、机の上に置く物を減らしましょう。
必要なのは、
- 筆箱
- 今使うノート
- 今使う教科書
- 机で使う最低限の文房具
くらいです。
ゲーム、関係ない本、古いプリントなどは別の場所に移します。
勉強する前に机の上を整えると、家庭学習にも入りやすくなります。
ランドセルの中がぐちゃぐちゃな場合
ランドセルの中が整理できていないと、プリントや宿題の出し忘れにつながります。
帰宅後に、
- 連絡帳を出す
- プリントを出す
- 宿題を確認する
- 明日の時間割を見る
という流れを作りましょう。
最初は親が一緒に確認しても構いません。
慣れてきたら、子どもが自分で確認し、親は最後に見る形にします。
プリントがたまっている場合
プリントは、放っておくとすぐにたまります。
家庭では、プリントの置き場所を決めておきましょう。
例えば、
- 親に見せるプリント
- 提出するプリント
- 保管するプリント
- 捨てるプリント
を分けます。
最初から細かく管理しすぎる必要はありません。
まずは、学校から帰ったらプリントを出すことを習慣にしましょう。
おもちゃやゲーム関連の物が散らかる場合
おもちゃやゲーム関連の物は、使う場所としまう場所を決めておくことが大切です。
ゲーム機やコントローラー、カード類などは、出しっぱなしになりやすいものです。
ゲーム時間のルールと合わせて、
「ゲームが終わったらこの箱に戻す」
「寝る前にはリビングの棚に置く」
というルールにすると分かりやすくなります。
ゲーム時間のルールについては、「小学生のゲーム時間は1日何時間まで?」でも解説しています。
片付けを習慣にする声かけ
片付けの声かけは、短く具体的にするのがおすすめです。
例えば、
「机の上のプリントだけまとめよう」
「ランドセルから連絡帳を出そう」
「床の本を本棚に戻そう」
「5分だけ一緒に片付けよう」
「ゲームの前にこの箱へ戻そう」
という言い方です。
反対に、
「ちゃんと片付けて」
「何でいつも汚いの」
「早くしなさい」
「だらしないね」
という言葉は、子どもが動きにくくなったり、自信をなくしたりすることがあります。
小学生の自己肯定感を高める声かけについては、「小学生の自己肯定感を高める親の声かけ」でも詳しく解説しています。
片付けができたときは行動を認める
子どもが少しでも片付けられたら、行動を認めましょう。
例えば、
「机の上がすっきりしたね」
「自分でランドセルを整理できたね」
「プリントを出せたのはよかったね」
「5分でここまでできたね」
という声かけです。
片付けが苦手な子は、できないところばかり注意されがちです。
できた行動を認めることで、次もやってみようという気持ちにつながります。
中学入学前に片付けの習慣を作ることも大切
小学5年生・小学6年生の場合は、中学入学前に片付けや整理の習慣を作っておくことも大切です。
中学校では、小学校よりも提出物や持ち物の管理が増えます。
ワーク、ノート、プリント、部活の持ち物、テスト範囲表など、自分で管理する物が多くなります。
片付けや整理が苦手なまま中学に進むと、忘れ物や提出物の遅れにつながることがあります。
中学入学前の準備については、「公立中学入学が不安な親へ」でも詳しく解説しています。
片付けが極端に苦手な場合
片付けが苦手なこと自体は、小学生にはよくあります。
ただし、次のような状態が続く場合は、少し丁寧に見ていきましょう。
- 毎日のように大事な物をなくす
- 片付け方を教えてもまったく進まない
- プリントや宿題の管理が極端に苦手
- 物が多すぎて生活に支障が出ている
- 本人も困っている
- 忘れ物や提出物の遅れが多い
- 親子げんかが増えている
このような場合は、家庭だけで抱え込まず、学校の先生に様子を聞いたり、相談窓口を利用したりすることも考えましょう。
大切なのは、子どもを責めることではなく、子どもに合った仕組みを見つけることです。
まとめ
小学生が片付けできない原因には、さまざまなものがあります。
例えば、
- 何をすればいいか分かっていない
- 物の置き場所が決まっていない
- 物が多すぎる
- プリントや学校用品の管理が苦手
- 片付けを後回しにしてしまう
- 親が毎回片付けてしまっている
といった理由です。
親ができる対策は、
- 片付ける場所を小さく分ける
- 物の住所を決める
- 子どもが分かる収納にする
- 片付けるタイミングを決める
- タイマーを使って短時間で行う
- できた行動を認める
ことです。
片付けは、気合いだけで身につくものではありません。
子どもが自分で戻せる仕組みを作ることで、少しずつ習慣になっていきます。
焦らず、家庭に合った形で、片付けやすい環境を整えていきましょう。