小学生の自己肯定感を高める親の声かけ|家庭でできる接し方と注意点

小学生の自己肯定感を高めるために親が子どもの話を聞いている様子

「うちの子はすぐに自信をなくす」

「どうせ無理、と言うことが増えた」

「自己肯定感を高めるには、親はどんな声かけをすればいいのだろう」

小学生の子どもを持つ保護者にとって、子どもの自己肯定感は気になるテーマです。

勉強、友達関係、習い事、ゲーム、学校生活など、小学生は日々さまざまな場面で成功や失敗を経験しています。

その中で、自分に自信を持てる子もいれば、少し失敗しただけで「自分はダメだ」と感じてしまう子もいます。

親としては、子どもに自信を持ってほしいと思う一方で、どのように声をかければよいのか迷うこともあるでしょう。

この記事では、小学生の自己肯定感とは何か、自己肯定感が下がりやすい原因、家庭でできる声かけや接し方について解説します。


目次

自己肯定感とは?

自己肯定感とは、簡単に言うと「自分には価値がある」「自分は自分でいい」と感じられる感覚です。

勉強ができる、スポーツが得意、友達が多いといった結果だけで決まるものではありません。

うまくいかないことがあっても、

「失敗しても大丈夫」
「またやってみよう」
「自分にはできることもある」

と思える土台のようなものです。

自己肯定感がある子は、失敗しない子ではありません。

失敗しても、自分を全否定せずに立ち直りやすい子です。


小学生の自己肯定感が下がりやすい場面

1. 勉強でつまずいたとき

小学生は、勉強が難しくなるにつれて自信をなくすことがあります。

特に高学年になると、算数の文章題、割合、分数、英語、読解問題などでつまずきやすくなります。

テストの点数が下がったり、周りの子と比べてできないと感じたりすると、

「自分は勉強ができない」
「どうせやっても無理」

と思ってしまうことがあります。

小学生が勉強しない背景については、「小学5年生が勉強しない原因」でも詳しく解説しています。


2. 親に怒られることが多いとき

毎日のように怒られていると、子どもは自分に対して否定的な気持ちを持ちやすくなります。

もちろん、必要な注意やしつけはあります。

しかし、

「なんでできないの」
「何回言えば分かるの」
「本当にだらしない」

という言葉が続くと、子どもは行動だけでなく、自分自身を否定されたように感じることがあります。

子どもに怒ると勉強面でも逆効果になりやすい理由については、「子どもに怒ると勉強は逆効果?」でも解説しています。


3. 友達関係でうまくいかないとき

小学生にとって、友達関係は大きな影響があります。

仲間外れ、けんか、からかい、グループに入れないなどがあると、自信をなくしてしまうことがあります。

「自分は嫌われているのかな」
「自分が悪いのかな」
「どうせ友達はできない」

と感じる子もいます。

友達関係が心配な場合は、「小学生の友達関係が心配なとき親ができること」でも詳しく解説しています。


4. 兄弟や友達と比べられたとき

親が何気なく言った比較の言葉で、子どもが傷つくことがあります。

例えば、

「お兄ちゃんはできていたよ」
「友達の〇〇ちゃんはちゃんとしているよ」
「同じクラスの子はもっと頑張っているよ」

という言葉です。

親としては励ましたつもりでも、子どもは「自分はダメなんだ」と受け取ってしまうことがあります。

比較は、子どものやる気を引き出すどころか、自己肯定感を下げてしまうことがあります。


5. 失敗を責められたとき

子どもは失敗しながら成長します。

忘れ物をする、宿題を忘れる、テストで間違える、友達とけんかする。

こうした失敗は小学生にはよくあります。

しかし、失敗するたびに強く責められると、子どもは挑戦することを怖がるようになります。

「間違えたら怒られる」
「失敗したら終わり」

と思うと、新しいことに挑戦しにくくなります。


自己肯定感が低い子に見られやすい様子

自己肯定感が低くなっている子には、次のような様子が見られることがあります。

  • 「どうせ無理」とすぐに言う
  • 失敗を極端に怖がる
  • 新しいことに挑戦したがらない
  • ほめられても受け取れない
  • 友達や兄弟と自分を比べる
  • 少し注意されただけで落ち込む
  • 自分の意見を言わない
  • 親の顔色を気にしすぎる

ただし、これらが一つあるからといって、すぐに深刻に考えすぎる必要はありません。

子どもの性格やその日の疲れによっても変わります。

大切なのは、普段の様子を見ながら、安心できる関わりを増やしていくことです。


小学生の自己肯定感を高める親の声かけ

1. 結果より行動を認める

自己肯定感を育てるには、結果だけでなく行動を認めることが大切です。

例えば、テストで高い点を取ったときだけほめるのではなく、

「昨日より早く宿題を始められたね」

「間違えた問題をやり直したのはよかったね」

「最後まで読もうとしたのがよかったね」

というように、行動を言葉にします。

結果は毎回うまくいくとは限りません。

しかし、行動を認めてもらえると、子どもは「やってみよう」という気持ちを持ちやすくなります。


2. できていることを具体的に伝える

「すごいね」だけでも悪くはありません。

ただ、自己肯定感を育てるには、何がよかったのかを具体的に伝える方が効果的です。

例えば、

「自分で準備できたね」

「ゲームを時間で終われたね」

「友達の話をちゃんと聞けたね」

「分からないところを質問できたね」

というようにします。

具体的に伝えることで、子どもは自分の良い行動に気づきやすくなります。


3. 失敗しても人格を否定しない

子どもが失敗したとき、行動は注意しても、人格を否定しないことが大切です。

例えば、宿題を忘れたときに、

「本当にだらしない子だね」

と言うのではなく、

「宿題を忘れたのは困るね。次はどうしたら忘れないかな」

と伝えます。

行動を直すことと、子ども自身を否定することは別です。

子どもが失敗したときほど、言葉の選び方が大切になります。


4. 比較ではなく本人の変化を見る

自己肯定感を育てるには、他の子と比べるより、本人の変化を見ることが大切です。

例えば、

「前より早く始められるようになったね」

「この前より落ち着いて話せたね」

「昨日より一問多くできたね」

という声かけです。

子どもは、周りと比べられると苦しくなることがあります。

一方で、過去の自分と比べて成長を認められると、自信につながりやすくなります。


5. 子どもの気持ちを一度受け止める

子どもが弱音を言ったとき、親はすぐに励ましたくなります。

「大丈夫」
「そんなことないよ」
「もっと頑張ればできるよ」

と言いたくなるかもしれません。

しかし、子どもが本当に落ち込んでいるときは、まず気持ちを受け止めることが大切です。

例えば、

「悔しかったんだね」

「できなくて嫌だったんだね」

「友達のことで不安だったんだね」

という言葉です。

気持ちを受け止めてもらえると、子どもは安心しやすくなります。


自己肯定感を下げやすい声かけ

「なんでできないの」

親がつい言ってしまいやすい言葉です。

しかし、子どもは責められたように感じやすくなります。

代わりに、

「どこが難しかった?」

「どこまでは分かった?」

と聞く方が、次の行動につながりやすいです。


「ちゃんとしなさい」

「ちゃんと」は大人にとって便利な言葉ですが、子どもには具体的に伝わりにくいことがあります。

「ちゃんとしなさい」ではなく、

「ランドセルをこの場所に置こう」

「宿題を1ページやろう」

「8時までにお風呂に入ろう」

のように具体的に伝える方が分かりやすいです。

小学生が親の言うことを聞かない理由については、「小学生が親の言うことを聞かない理由」でも詳しく解説しています。


「どうせまたできないでしょ」

このような言葉は、子どもの挑戦する気持ちを削ってしまいます。

親は過去の失敗を思い出して言っているのかもしれません。

しかし、子どもにとっては「自分は信用されていない」と感じる言葉です。

できるか分からないときでも、

「今回はどうしたらできそう?」

一緒に考える方がよいでしょう。


「〇〇ちゃんはできているよ」

他の子との比較は、自己肯定感を下げやすい声かけです。

子どもは、比較されることでやる気になるよりも、劣等感を持ってしまうことがあります。

比べるなら、他の子ではなく、過去の本人と比べましょう


家庭でできる自己肯定感を育てる習慣

1. 子どもの話を最後まで聞く

子どもが話している途中で、親がすぐに正したり、アドバイスしたりすると、子どもは話しにくくなります。

まずは最後まで聞くことを意識しましょう。

話を聞いてもらえる経験は、

「自分の話には価値がある」
「自分の気持ちは大切にされている」

という感覚につながります。


2. 小さな役割を任せる

家庭の中で小さな役割を任せることも、自己肯定感につながります。

例えば、

  • 食器を並べる
  • ペットの世話をする
  • 洗濯物をたたむ
  • 玄関を整える
  • 明日の持ち物を自分で確認する

などです。

役割を任されることで、子どもは「自分も家族の役に立っている」と感じやすくなります。


3. 子どもが選ぶ機会を作る

子どもに選ぶ機会を与えることも大切です。

例えば、

「宿題は夕飯の前にする?後にする?」

「今日は漢字と計算、どちらからやる?」

「休日は公園と図書館、どちらに行きたい?」

というように、親が許容できる範囲で選ばせます。

自分で選んだ経験は、自信につながります。


4. できなかった日も受け止める

毎日うまくいくわけではありません。

宿題ができない日、ゲームをやめられない日、友達とけんかする日もあります。

そのたびに強く責めるのではなく、

「今日はうまくいかなかったね。明日はどうする?」

と次につなげることが大切です。

家庭学習の習慣づくりについては、「小学生の家庭学習の習慣をつける方法」でも解説しています。


自己肯定感を高めるために親が頑張りすぎない

自己肯定感を高めたいと思うと、親は声かけを完璧にしようとしてしまうかもしれません。

しかし、親も人間です。

疲れている日もあれば、つい怒ってしまう日もあります。

大切なのは、完璧な親になることではありません。

怒ってしまったときに、

「さっきは言いすぎたね」

「本当は心配だったんだ」

と伝え直すことも、子どもにとって大切な経験になります。

親が自分の間違いを認める姿を見ることで、子どもも「失敗してもやり直せる」と感じやすくなります。


気になる状態が続くときは相談も考える

子どもの自己肯定感が低いように見える状態が長く続く場合や、次のような様子がある場合は、家庭だけで抱え込まないようにしましょう。

  • 極端に自分を責める
  • 学校に行きたがらない
  • 食欲や睡眠に変化がある
  • 友達関係を強く不安がる
  • 何をしても楽しそうに見えない
  • 「自分なんて」といった発言が増える

このような場合は、担任の先生、スクールカウンセラー、小児科、自治体の相談窓口などに相談することも大切です。

小学生が学校に行きたくないと言ったときの対応については、「小学生が学校に行きたくないと言ったときの対応」でも解説しています。


まとめ

小学生の自己肯定感は、日々の親の声かけや家庭での関わりによって少しずつ育っていきます。

自己肯定感が下がりやすい場面には、

  • 勉強でつまずいたとき
  • 親に怒られることが多いとき
  • 友達関係でうまくいかないとき
  • 兄弟や友達と比べられたとき
  • 失敗を責められたとき

などがあります。

親ができる声かけは、

  • 結果より行動を認める
  • できていることを具体的に伝える
  • 失敗しても人格を否定しない
  • 他の子ではなく本人の変化を見る
  • 子どもの気持ちを一度受け止める

ことです。

自己肯定感を育てるために、特別なことをたくさんする必要はありません。

子どもの話を聞く、できたことを認める、失敗してもやり直せると伝える

こうした日々の小さな積み重ねが、子どもの安心感と自信につながります。

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