「学校に行きたくない」
小学生の子どもから突然そう言われると、親はとても不安になります。
「いじめられているのかな」
「甘えているだけなのかな」
「無理に行かせた方がいいのかな」
「休ませたら不登校になってしまうのでは」
いろいろな心配が頭に浮かぶかもしれません。
小学生が学校に行きたくないと言う理由は、一つとは限りません。
友達関係、勉強、先生との関係、疲れ、体調、家庭での不安など、さまざまな理由が重なっていることもあります。
この記事では、小学生が学校に行きたくないと言ったときに、親が最初に確認したいこと、やってはいけない対応、家庭でできる接し方について解説します。
「学校に行きたくない」と言われたらまず落ち着く
子どもから「学校に行きたくない」と言われると、親は驚きます。
特に、今まで普通に通っていた子が急に言い出すと、
「何があったの?」
「どうして急に?」
「休ませていいの?」
と焦ってしまいます。
しかし、最初に大切なのは、親ができるだけ落ち着くことです。
親が強く動揺したり、すぐに怒ったりすると、子どもは本当の理由を話しにくくなることがあります。
まずは、
「そうなんだね」
「今日は行きたくない気持ちなんだね」
「何かあったのかな」
と、子どもの言葉を一度受け止めることが大切です。
小学生が学校に行きたくないと言う主な理由
1. 友達関係で悩んでいる
小学生が学校に行きたくない理由として多いのが、友達関係の悩みです。
例えば、
- 友達とけんかした
- 仲間外れにされた
- 休み時間にひとりになる
- からかわれた
- グループに入りにくい
- 登下校で嫌なことがある
といったことがあります。
大人から見ると小さなトラブルに見えても、子どもにとっては大きな負担になっている場合があります。
友達関係が心配なときの見守り方については、「小学生の友達関係が心配なとき親ができること」でも詳しく解説しています。
2. 勉強についていけない
勉強が分からなくなってくると、学校に行くのがつらくなることがあります。
特に高学年になると、算数、国語、英語などでつまずきが出やすくなります。
授業中に分からない状態が続くと、
「当てられたらどうしよう」
「テストが嫌だ」
「周りの子はできているのに自分だけできない」
と感じることがあります。
勉強の苦手が原因の場合、本人は「勉強が分からない」とは言わずに、「学校に行きたくない」と表現することもあります。
小学生の算数が苦手な原因については、「小学生の算数が苦手な原因」でも詳しく解説しています。
3. 先生との関係で不安がある
担任の先生や特定の先生との関係が原因になることもあります。
例えば、
- 注意されるのが怖い
- 先生の言い方がきつく感じる
- 授業中に当てられるのが嫌
- 相談しづらい
- 自分だけ怒られると感じている
といったことです。
もちろん、子どもの受け取り方と実際の状況が違うこともあります。
ただし、子どもが「怖い」「つらい」と感じているなら、その気持ちは一度受け止める必要があります。
4. 疲れがたまっている
学校、習い事、宿題、友達関係などで、子どもなりに疲れがたまっている場合もあります。
小学生でも、毎日学校で気を張って過ごしています。
特に、
- 運動会や発表会の前後
- クラス替えの後
- 長期休み明け
- テストや宿題が多い時期
- 習い事が忙しい時期
などは疲れが出やすいです。
一時的な疲れで「学校に行きたくない」と言うこともあります。
5. 朝の体調不良がある
学校に行きたくない気持ちが、体の症状として出ることもあります。
例えば、
- お腹が痛い
- 頭が痛い
- 気持ち悪い
- 朝起きられない
- 食欲がない
といった状態です。
この場合、気持ちの問題だけと決めつけず、体調面も確認しましょう。
症状が続く場合は、小児科など医療機関に相談することも大切です。
6. 家で安心していたい気持ちが強い
学校で嫌なことがあるわけではなくても、家にいたい気持ちが強くなることがあります。
親と離れたくない、家でゆっくりしたい、外に出るのが不安など、理由はさまざまです。
低学年だけでなく、高学年でも不安が強い時期にはこのような気持ちが出ることがあります。
親が最初に確認したいこと
1. いつから行きたくないのか
まずは、いつから学校に行きたくない気持ちがあるのかを確認しましょう。
急に言い出したのか。
以前から少しずつ嫌がっていたのか。
特定の曜日だけなのか。
月曜日の朝だけなのか。
時期やパターンを見ることで、原因が見えてくることがあります。
2. 何が一番つらいのか
子どもに聞くときは、問い詰めるよりも、選択肢を出すと答えやすいことがあります。
例えば、
「友達のこと?」
「勉強のこと?」
「先生のこと?」
「朝起きるのがつらい?」
「何となく疲れている感じ?」
と、やわらかく聞いてみましょう。
子どもがすぐに答えられなくても大丈夫です。
「今すぐ言えなくてもいいよ」と伝えることも大切です。
3. 学校に行くと何が起こりそうで嫌なのか
「学校に行きたくない」という言葉の裏には、不安がある場合があります。
例えば、
- 友達に会うのが嫌
- 先生に注意されるのが怖い
- テストが不安
- 授業が分からない
- 休み時間がつらい
- 給食が嫌
- 登校班が苦手
などです。
「学校の何が嫌なのか」が少しでも分かると、対応を考えやすくなります。
4. 家ではどんな様子か
学校に行きたくないと言う子の家庭での様子も見てみましょう。
例えば、
- 元気はあるか
- 食欲はあるか
- 夜眠れているか
- イライラが増えていないか
- 急に甘えるようになっていないか
- ゲームやスマホだけは元気にできるか
- 学校の話を避けていないか
こうした様子から、疲れや不安の強さが見えてくることがあります。
やってはいけない対応
「甘えているだけ」と決めつける
子どもが学校に行きたくないと言ったとき、
「甘えているだけ」
「さぼりたいだけ」
「みんな行っているんだから行きなさい」
と言ってしまうことがあります。
しかし、子どもにとっては本当にしんどい場合があります。
最初から甘えと決めつけると、子どもは本音を話しにくくなります。
理由を無理に聞き出そうとする
親としては理由を知りたいものです。
しかし、子ども自身も理由をうまく説明できないことがあります。
「なんで?」
「何があったの?」
「ちゃんと言いなさい」
と強く聞きすぎると、子どもは追い詰められたように感じることがあります。
理由を聞くことは大切ですが、子どものペースも大切にしましょう。
すぐに無理やり登校させる
状況を確認しないまま、無理やり登校させるのは注意が必要です。
もちろん、毎回簡単に休ませればよいという意味ではありません。
ただし、強い不安やいじめ、体調不良がある場合に無理に行かせると、子どもの負担が大きくなることがあります。
まずは理由や状態を確認したうえで判断しましょう。
親が一人で抱え込む
学校に行きたくないという問題は、家庭だけで解決しようとすると親も疲れてしまいます。
必要に応じて、担任の先生、学年主任、スクールカウンセラー、自治体の相談窓口などに相談しましょう。
早めに相談することは、決して悪いことではありません。
学校を休ませてもいいのか
「学校に行きたくない」と言われたとき、休ませるかどうかは親がとても迷うところです。
一度休ませたら、次も休みたがるのではないか。
不登校につながるのではないか。
そう考えるのは自然です。
ただし、子どもの状態によっては、一日休んで落ち着くことが必要な場合もあります。
例えば、
- 明らかに体調が悪い
- 強い不安で泣いている
- いじめやトラブルの可能性がある
- 寝不足や疲れが強い
- 話し合いが必要な状態
このような場合は、無理に登校させるより、まず安全と安心を優先した方がよいこともあります。
一方で、休ませる場合も「何となく休んで終わり」にしないことが大切です。
落ち着いたタイミングで、
「何がつらかったのか」
「明日はどうするか」
「学校に相談するか」
を一緒に考えましょう。
家庭でできる対応
1. まず安心させる
子どもが学校に行きたくないと言ったとき、最初に必要なのは安心感です。
「話してくれてありがとう」
「怒らないから教えてね」
「一緒に考えよう」
という言葉だけでも、子どもは少し安心できます。
親が味方であることが伝わると、子どもは本当の気持ちを話しやすくなります。
2. 子どもの話を整理する
子どもの話は、最初から整理されているとは限りません。
話が飛んだり、理由が変わったりすることもあります。
その場合は、親が整理を手伝います。
「友達のことが一番つらいのかな」
「勉強より休み時間が嫌なんだね」
「朝になると不安が強くなるんだね」
と、子どもの言葉をまとめてあげると、自分でも気持ちを理解しやすくなります。
3. 学校と連携する
学校に行きたくない理由が学校生活に関係している場合は、担任の先生に相談しましょう。
相談するときは、感情的に責めるのではなく、子どもの様子を具体的に伝えると話が進みやすくなります。
例えば、
- いつから行きたがらないか
- 朝の様子
- 子どもが話している内容
- 友達関係で気になること
- 授業や宿題で困っていること
- 家での変化
などです。
学校での様子を聞くことで、家庭では分からない情報が得られることもあります。
4. 登校のハードルを下げる
いきなり普通通りに登校するのが難しい場合は、学校と相談してハードルを下げる方法もあります。
例えば、
- 保健室に行く
- 遅れて登校する
- 午前中だけ行く
- 苦手な時間を避ける
- 先生と一度話す
- 登校班ではなく親が途中まで送る
などです。
すべての学校で同じ対応ができるわけではありませんが、相談する価値はあります。
「学校に行くか行かないか」の二択だけで考えず、段階的な方法を探すことが大切です。
5. 生活リズムを整える
学校に行きたくない状態が続くと、生活リズムが崩れやすくなります。
朝起きる時間が遅くなり、夜寝る時間も遅くなると、さらに登校が難しくなることがあります。
休む日があっても、
- 朝はなるべく同じ時間に起きる
- 日中に少し体を動かす
- 夜更かししすぎない
- ゲームやスマホの時間を決める
といった生活リズムは意識しましょう。
ゲームやスマホのルールについては、「小学生のゲーム時間は1日何時間まで?」でも詳しく解説しています。
学校に相談するときの伝え方
学校に相談するときは、次のように伝えるとよいです。
「最近、朝になると学校に行きたくないと言うことが増えています」
「友達関係で何かあるのかもしれませんが、本人が詳しく話せていません」
「学校での様子を教えていただけますか」
「家庭ではこのような様子があります」
「今後どのように対応すればよいか相談させてください」
学校に連絡することをためらう保護者もいますが、早めに情報共有することで対応しやすくなる場合があります。
相談した方がよいサイン
次のような状態が続く場合は、家庭だけで抱え込まないようにしましょう。
- 学校に行きたがらない日が続いている
- 朝になると強い腹痛や頭痛が出る
- いじめの可能性がある
- 食欲や睡眠に変化がある
- 急に元気がなくなった
- 家でも笑顔が少ない
- 自分を責める発言が増えた
- 親子だけでは話し合いにならない
このような場合は、担任の先生、スクールカウンセラー、小児科、自治体の相談窓口などに相談することを考えましょう。
特に、子どもが強い不安やつらさを訴えている場合は、早めに周囲の力を借りることが大切です。
親自身も追い詰められないことが大切
子どもが学校に行きたくないと言うと、親も大きな不安を抱えます。
「自分の育て方が悪かったのでは」
「仕事を休まなければいけない」
「この先どうなるのだろう」
と悩むこともあるでしょう。
しかし、親が一人で抱え込むと、心身ともに疲れてしまいます。
学校や相談窓口に頼ることは、親にとっても子どもにとっても大切です。
家庭だけで何とかしようとせず、必要なときは周囲に相談しましょう。
まとめ
小学生が学校に行きたくないと言ったとき、親はとても不安になります。
しかし、まず大切なのは、子どもの言葉をすぐに否定せず、一度受け止めることです。
学校に行きたくない理由には、
- 友達関係
- 勉強の不安
- 先生との関係
- 疲れ
- 体調不良
- 家にいたい気持ち
など、さまざまなものがあります。
親ができる対応は、
- 落ち着いて話を聞く
- 理由を決めつけない
- 必要なら休ませて状態を確認する
- 学校と連携する
- 登校のハードルを下げる
- 生活リズムを整える
- 相談先を利用する
ことです。
学校に行きたくないという言葉は、子どもからの大切なサインです。
焦って答えを出そうとせず、子どもの状態を見ながら、家庭と学校で一緒に対応を考えていきましょう。