「宿題をやったと言ったのに、実はやっていなかった」
「ゲームをしていないと言ったのに、こっそりやっていた」
「子どもが嘘をつくようになって心配」
小学生の子どもが嘘をつくと、親はとても不安になります。
「このまま嘘をつく子になったらどうしよう」
「信用できなくなってしまう」
「厳しく叱った方がいいのだろうか」
このように悩む保護者は少なくありません。
もちろん、嘘をつくことをそのまま放っておいてよいわけではありません。
ただし、小学生が嘘をつく背景には、怒られたくない、失敗を隠したい、親をがっかりさせたくないなど、子どもなりの理由があることもあります。
この記事では、小学生が嘘をつく理由と、親ができる対応、やってはいけない叱り方について解説します。
小学生が嘘をつくのは珍しいことではない
小学生になると、子どもは少しずつ考える力がついてきます。
その一方で、自分の失敗を隠したり、怒られないようにごまかしたりすることも出てきます。
例えば、
- 宿題をやっていないのに「やった」と言う
- ゲームを長くやったのに「少しだけ」と言う
- 忘れ物をしたのに「学校に置いてきた」と言う
- 友達とのトラブルを隠す
- テストの点数を見せない
このようなことは、小学生の家庭で起こりやすいものです。
嘘をついたからといって、すぐに「性格が悪い」「悪い子」と決めつける必要はありません。
大切なのは、嘘そのものを責めるだけでなく、「なぜ嘘をついたのか」を見ていくことです。
小学生が嘘をつく主な理由
1. 怒られたくない
小学生が嘘をつく理由として多いのが、「怒られたくない」という気持ちです。
宿題をやっていない。
ゲームをやりすぎた。
約束を守れなかった。
こうしたときに、正直に言うと怒られると思って、嘘をついてしまうことがあります。
特に、普段から強く叱られることが多い子は、失敗を隠そうとしやすくなります。
子どもに怒ると勉強面でも逆効果になりやすい理由については、「子どもに怒ると勉強は逆効果?」でも解説しています。
2. 親をがっかりさせたくない
子どもは、親が思っている以上に親の反応を気にしていることがあります。
「テストの点数が悪かったらがっかりされる」
「宿題を忘れたら怒られる」
「またできなかったと思われたくない」
このような気持ちから、失敗を隠すために嘘をつくことがあります。
この場合、嘘の裏には「悪いことをしたい」という気持ちよりも、「嫌われたくない」「失望されたくない」という不安があることもあります。
小学生の自己肯定感を高める声かけについては、「小学生の自己肯定感を高める親の声かけ」でも詳しく解説しています。
3. その場をごまかしたい
小学生は、先のことを考えるよりも、その場を切り抜けることを優先してしまうことがあります。
例えば、親に「宿題やったの?」と聞かれて、本当はやっていなくても、今怒られたくなくて「やった」と言ってしまう。
このような嘘は、深く考えて計画的についているというより、その場しのぎで出てしまうことがあります。
もちろん、だからといって許してよいわけではありません。
ただ、子どもがまだ先の結果まで考えきれていないことも理解しておきたいところです。
4. 自分をよく見せたい
子どもは、自分をよく見せたくて嘘をつくこともあります。
例えば、
「テストでいい点だった」
「友達にすごいと言われた」
「ゲームで強い」
「先生にほめられた」
など、実際よりも大きく話すことがあります。
これは、認められたい、すごいと思われたいという気持ちから出ることがあります。
すぐに強く責めるより、なぜそう言いたかったのかを考えることが大切です。
5. 友達関係や学校のことを隠したい
友達関係でトラブルがあったり、学校で嫌なことがあったりすると、子どもはそれを隠すことがあります。
親に心配をかけたくない。
話すと大ごとになるのが嫌。
自分が悪いと思われたくない。
このような気持ちから、本当のことを言わなかったり、違う理由を言ったりすることがあります。
友達関係が心配な場合は、「小学生の友達関係が心配なとき親ができること」でも詳しく解説しています。
6. 嘘という自覚が弱い場合もある
低学年や想像力が豊かな子の場合、事実と願望が混ざって話していることもあります。
「こうだったらいいな」
「こう言った方が面白いかな」
という気持ちで話しているうちに、実際とは違う話になることがあります。
もちろん、事実と違うことは確認する必要があります。
ただ、すべてを悪意のある嘘と決めつけないことも大切です。
親がやってはいけない対応
1. 頭ごなしに「嘘つき」と決めつける
子どもが嘘をついたとき、親はつい、
「嘘つき」
「また嘘をついた」
「信用できない」
と言いたくなるかもしれません。
しかし、子ども自身を「嘘つき」と決めつけると、子どもは自分を否定されたように感じます。
注意したいのは、嘘をついた行動であって、子ども自身の価値ではありません。
「嘘をついたことはよくない」と伝えることと、「あなたは嘘つきだ」と決めつけることは違います。
2. 強く問い詰める
嘘を見つけると、親は理由を聞きたくなります。
「なんで嘘をついたの?」
「本当のことを言いなさい」
「まだ嘘をついてるんじゃないの?」
と問い詰めたくなることもあるでしょう。
しかし、強く問い詰められると、子どもはさらに防御的になります。
本当のことを言うどころか、さらに別の嘘を重ねてしまうこともあります。
3. 罰だけで解決しようとする
嘘をついたらすぐにゲーム禁止、外出禁止、お小遣いなし。
このように罰だけで対応すると、子どもは「次はバレないようにしよう」と考えてしまうことがあります。
もちろん、ルールを破った場合には一定の対応が必要です。
ただし、罰だけでは、なぜ嘘をついたのか、次にどうすればよいのかを学びにくくなります。
4. 過去の嘘を何度も持ち出す
一度嘘をつかれると、親はなかなか忘れられません。
しかし、何かあるたびに、
「前も嘘をついたよね」
「どうせまた嘘でしょ」
「あなたは信用できない」
と言い続けると、子どもは変わる意欲を失いやすくなります。
過去のことを確認する必要がある場合もありますが、何度も責め続けるのは避けたいところです。
小学生が嘘をついたときの対応
1. まず事実を落ち着いて確認する
嘘かもしれないと思ったときは、まず落ち着いて事実を確認しましょう。
感情的に責める前に、
「宿題はどこまで終わっている?」
「ゲームは何時までやった?」
「本当は何があったのか、一緒に確認しよう」
と聞いてみます。
このとき、親が最初から怒っていると、子どもは本当のことを言いにくくなります。
2. 嘘をついた理由を聞く
事実を確認したら、なぜ嘘をついたのかを聞きます。
ただし、問い詰めるのではなく、理由を知るために聞くことが大切です。
例えば、
「怒られると思った?」
「言いにくかったのかな?」
「本当のことを言うのが怖かった?」
「どうしたら正直に言いやすかったかな?」
という聞き方です。
嘘をついた理由が分かると、次の対応も考えやすくなります。
3. 「嘘はよくない」と短く伝える
理由を聞いたうえで、嘘をつくことはよくないと伝えます。
ここはあいまいにしない方がよいです。
ただし、長い説教にする必要はありません。
「怒られたくなかった気持ちは分かった。でも、嘘をつくと困ることが増えるよ」
「失敗したことより、嘘で隠したことが問題だよ」
「本当のことを言ってくれた方が、一緒に考えられるよ」
このように、短くはっきり伝えましょう。
4. 正直に言えたときは認める
子どもが正直に話せたときは、その行動を認めることが大切です。
たとえ内容がよくないことであっても、
「本当のことを言ってくれてよかった」
「言いにくかったのに話せたね」
「正直に言えたから、次を一緒に考えられるよ」
と伝えましょう。
正直に言ったら怒られるだけ、という経験が続くと、子どもは本当のことを言いにくくなります。
5. 次にどうするかを一緒に決める
嘘をついたことを責めるだけで終わらせず、次にどうするかを決めましょう。
例えば、
- 宿題をやっていなかったなら、いつやるか決める
- ゲーム時間を守れなかったなら、ルールを見直す
- テストを隠したなら、次から見せるタイミングを決める
- 友達トラブルを隠したなら、相談の仕方を考える
というようにします。
大切なのは、嘘を責め続けることではなく、次に正直に言える仕組みを作ることです。
場面別の対応
宿題をやったと嘘をつく場合
宿題をやっていないのに「やった」と言う場合、怒られたくない、面倒くさい、分からない問題があるなどの理由が考えられます。
まずは、
「どこまで終わっているか一緒に見よう」
と確認しましょう。
宿題が分からなくて嘘をついている場合は、叱るだけでは解決しません。
宿題をやらない子への対応については、「宿題をやらない小学生への対応」でも詳しく解説しています。
ゲーム時間について嘘をつく場合
ゲーム時間について嘘をつく場合は、ルールがあいまいだったり、守れなかったときの対応が決まっていなかったりすることがあります。
「何分やったか」だけでなく、
- いつ始めたか
- いつ終わる予定だったか
- なぜやめられなかったか
- 次はどうするか
を確認しましょう。
ゲーム時間のルールについては、「小学生のゲーム時間は1日何時間まで?」でも解説しています。
テストの点数を隠す場合
テストの点数を隠す場合、子どもは親をがっかりさせたくないのかもしれません。
この場合、点数だけを強く責めると、さらに隠すようになることがあります。
「点数より、どこが分からなかったかを一緒に見よう」
「間違えたところが分かれば次につながるよ」
と伝えるとよいでしょう。
勉強で自信をなくしやすい子には、自己肯定感を下げない声かけも大切です。
友達トラブルを隠す場合
友達関係のことを隠す場合、親に心配をかけたくない、相手の子を悪く言われたくない、大ごとにされたくないという気持ちがあることもあります。
いきなり学校に連絡する前に、まずは子どもの話を聞きましょう。
ただし、いじめや繰り返しのトラブルがある場合は、早めに学校へ相談することが大切です。
嘘を減らすために家庭でできること
1. 正直に言いやすい雰囲気を作る
嘘を減らすには、子どもが正直に言いやすい雰囲気を作ることが大切です。
もちろん、悪いことをしても叱らないという意味ではありません。
ただ、
「正直に話したら、まず聞いてもらえる」
「失敗しても一緒に考えてもらえる」
と感じられることが大切です。
2. 失敗を責めすぎない
子どもは失敗します。
宿題を忘れることもあります。
ゲーム時間を守れないこともあります。
テストで悪い点を取ることもあります。
そのたびに強く責めすぎると、子どもは失敗を隠したくなります。
失敗したときは、
「次はどうする?」
「どうすれば防げそう?」
と、次につなげる声かけを意識しましょう。
3. 家庭のルールを分かりやすくする
ルールがあいまいだと、嘘やごまかしが起こりやすくなります。
例えば、
- ゲームは何時まで
- 宿題はいつ確認する
- テストはいつ見せる
- 困ったことがあったらいつ話す
などを決めておくと、親子で確認しやすくなります。
小学生が親の言うことを聞かない場合も、ルールを見える形にすると改善しやすいことがあります。
4. 親も約束を守る
子どもに正直でいてほしいなら、親自身の行動も大切です。
親が約束を守らなかったり、その場しのぎのことを言ったりしていると、子どもも同じように考えることがあります。
完璧である必要はありません。
ただ、親が間違えたときに、
「ごめん、さっきの言い方はよくなかったね」
「約束を忘れていたね」
と伝えることも、子どもにとって大切な学びになります。
嘘が続くときに注意したいサイン
小学生の嘘は成長の中で見られることもあります。
ただし、次のような状態が続く場合は注意が必要です。
- 何度も同じ嘘を繰り返す
- 友達や学校でのトラブルを隠し続ける
- 物やお金に関する嘘がある
- 家庭で話し合いができない
- 嘘を責めると強く暴れる
- 学校に行きたがらない
- 極端に自分を責める
このような場合は、家庭だけで抱え込まず、学校の先生やスクールカウンセラーなどに相談することも考えましょう。
小学生が学校に行きたくないと言ったときの対応については、「小学生が学校に行きたくないと言ったときの対応」でも解説しています。
まとめ
小学生が嘘をつく理由には、さまざまなものがあります。
例えば、
- 怒られたくない
- 親をがっかりさせたくない
- その場をごまかしたい
- 自分をよく見せたい
- 友達関係や学校のことを隠したい
- 嘘という自覚が弱い
といった理由です。
親ができる対応は、
- まず事実を落ち着いて確認する
- 嘘をついた理由を聞く
- 嘘はよくないと短く伝える
- 正直に言えたときは認める
- 次にどうするかを一緒に決める
ことです。
嘘をついたことは注意する必要があります。
ただし、子ども自身を「嘘つき」と決めつけるのではなく、なぜ嘘をついたのかを見ながら、正直に話せる関係を作っていくことが大切です。
失敗しても正直に話せる家庭の雰囲気が、子どもの安心感と信頼関係につながります。