「毎日のように忘れ物をする」
「何度言ってもプリントを出さない」
「中学に入ってから提出物で困らないか心配」
小学生の子どもを持つ保護者にとって、忘れ物の多さは悩みやすい問題です。
鉛筆、教科書、宿題、体操服、上履き、給食袋、プリント。
何度も確認しているのに、また忘れてしまう。
そのたびに親がイライラしてしまうこともあるでしょう。
しかし、小学生の忘れ物が多い背景には、単なるだらしなさだけではなく、準備の仕方が分からない、予定を見通す力がまだ育っていない、疲れている、親に頼りすぎているなど、さまざまな理由があります。
この記事では、小学生の忘れ物が多い原因と、家庭でできる対策、親が気をつけたい声かけについて解説します。
小学生の忘れ物が多いのは珍しいことではない
小学生は、まだ自分で予定を管理したり、必要な物を先に考えたりする力が発達途中です。
そのため、忘れ物をすること自体は珍しくありません。
特に低学年のうちは、親が一緒に確認しながら少しずつ準備の習慣を作っていく時期です。
高学年になっても、学校の持ち物や宿題、プリント、習い事の準備など、管理するものが増えるため、忘れ物が増えることもあります。
大切なのは、忘れ物をしたことを責め続けるのではなく、どうすれば忘れにくくなるかを一緒に考えることです。
小学生の忘れ物が多い主な原因
1. 持ち物を確認する習慣がない
忘れ物が多い子は、前日に持ち物を確認する習慣がないことがあります。
朝になってから慌てて準備すると、どうしても抜けが出やすくなります。
特に、
- 連絡帳を見ない
- 時間割を確認しない
- プリントを出さない
- 明日の予定を考えない
という状態だと、忘れ物が増えやすくなります。
忘れ物を減らすには、まず「前日に確認する流れ」を作ることが大切です。
2. 何を準備すればいいか分かっていない
親から見ると、「時間割を見れば分かる」と思うかもしれません。
しかし、子どもにとっては、時間割を見ても何を準備すればいいのか分かりにくいことがあります。
例えば、体育がある日は体操服が必要。
図工がある日は道具が必要。
給食当番なら給食袋が必要。
学校行事がある日は特別な持ち物が必要。
このように、時間割やプリントから必要な物を読み取るには、少し考える力が必要です。
子どもが「忘れた」のではなく、「必要な物に気づけなかった」という場合もあります。
3. プリントや連絡帳を出さない
小学生の忘れ物で多いのが、プリントを親に出さないことです。
学校からのお知らせをランドセルの中に入れたままにして、提出日や持ち物に気づかないことがあります。
親があとから見つけて、
「なんで出さないの」
と怒ってしまうこともあるでしょう。
しかし、子どもにとっては、学校から帰ってきたらプリントを出すという習慣がまだ身についていない場合があります。
プリントを出す場所やタイミングを決めておくと、忘れにくくなります。
4. 朝の準備がバタバタしている
朝の時間に余裕がないと、忘れ物は増えやすくなります。
起きる時間が遅い。
朝食に時間がかかる。
着替えが進まない。
ゲームやテレビを見てしまう。
このような状態だと、持ち物を確認する時間がなくなります。
忘れ物対策は、朝だけでなく、前日の夜から始めることが大切です。
5. 親が全部準備している
忘れ物を防ごうとして、親がすべて準備している家庭もあります。
低学年のうちは親のサポートが必要ですが、ずっと親が全部やっていると、子どもが自分で確認する力を身につけにくくなります。
子どもは、
「忘れても親が入れてくれる」
「自分で確認しなくても大丈夫」
と思ってしまうことがあります。
忘れ物を減らすには、親が全部やるのではなく、子どもが自分で確認できる仕組みにしていくことが大切です。
6. 注意されすぎて聞き流している
忘れ物が多いと、親は何度も注意したくなります。
「忘れ物ない?」
「ちゃんと準備した?」
「何回言えば分かるの?」
と毎日言っているうちに、子どもは親の言葉を聞き流すようになることがあります。
親の言うことを聞かないように見える場合は、声かけの回数や言い方を見直すことも必要です。
小学生が親の言うことを聞かない理由については、「小学生が親の言うことを聞かない理由」でも詳しく解説しています。
忘れ物が多い子に親がやってはいけない対応
「だらしない」と決めつける
忘れ物が多いと、つい「だらしない」と言いたくなることがあります。
しかし、子ども自身を否定する言葉は注意が必要です。
忘れ物をした行動は改善が必要ですが、子どもの性格や人格を責める必要はありません。
「忘れ物をしたこと」と「あなたはだらしない子だ」と言うことは違います。
責めるより、どうしたら忘れにくくなるかを考える方が効果的です。
何度も怒るだけで終わる
忘れ物をするたびに怒っても、仕組みが変わらなければ同じことが繰り返されます。
怒られた直後は反省しているように見えても、次の日にはまた忘れることがあります。
これは、子どもにやる気がないというより、準備の手順が身についていないことが多いです。
怒るよりも、確認するタイミングや置き場所を決める方が効果的です。
親が毎回全部チェックする
忘れ物を防ぐために、親が毎日ランドセルを全部確認することもあるでしょう。
短期的には効果があります。
しかし、親がすべて確認し続けると、子どもが自分で確認する機会が減ります。
大切なのは、親が代わりにやることではなく、子どもが自分でできるように少しずつ移していくことです。
忘れ物をした結果をすべて親が回収する
忘れ物をしたときに、親がすぐ学校へ届けることがあります。
もちろん、どうしても必要な物や子どもが困りすぎる物なら届ける必要がある場合もあります。
ただし、毎回親が届けていると、子どもは忘れ物をしても困りにくくなります。
忘れ物をしたときにどうするかも、家庭でルールを考えておくとよいでしょう。
家庭でできる忘れ物対策
1. 前日の夜に準備する
忘れ物対策の基本は、前日の夜に準備することです。
朝は時間がなく、親も子どもも慌ただしくなります。
夜のうちに、
- 時間割を見る
- 連絡帳を見る
- プリントを確認する
- 宿題をランドセルに入れる
- 体操服や給食袋を準備する
という流れを作りましょう。
最初は親が一緒に確認しても大丈夫です。
慣れてきたら、少しずつ子どもが自分で確認する形にしていきます。
2. 持ち物チェック表を作る
忘れ物が多い子には、持ち物チェック表が役立ちます。
毎日必要な物を紙に書いて、見える場所に置いておきます。
例えば、
- 筆箱
- 連絡帳
- 宿題
- 教科書
- ノート
- 給食袋
- ハンカチ
- ティッシュ
- 水筒
などです。
曜日ごとに必要な物が違う場合は、月曜日から金曜日まで分けて書いてもよいでしょう。
チェック表は完璧なものを作る必要はありません。
子どもが見て分かりやすいことが大切です。
3. 物の置き場所を決める
忘れ物が多い子は、物の置き場所が決まっていないことがあります。
ハンカチは引き出し。
給食袋はこのかご。
宿題は終わったらランドセル。
プリントは帰宅後にこの箱。
このように置き場所を決めておくと、準備がしやすくなります。
物の場所が毎回変わると、子どもは探すだけで疲れてしまいます。
4. 帰宅後の流れを決める
学校から帰ってきた後の流れを決めておくと、プリントや宿題の確認がしやすくなります。
例えば、
- ランドセルを置く
- 連絡帳を出す
- プリントを出す
- 宿題を確認する
- 明日の予定を見る
という流れです。
最初は親が声をかけてもよいですが、毎日同じ流れにすると少しずつ習慣になります。
家庭学習の習慣づくりについては、「小学生の家庭学習の習慣をつける方法」でも詳しく解説しています。
5. 親は確認役に回る
親が全部準備するのではなく、子どもが準備して、親は確認役に回るのがおすすめです。
例えば、
「明日の準備をしてみて。終わったら一緒に確認しよう」
という形です。
子どもが自分で準備する。
親が最後に一緒に確認する。
この流れにすると、子どもが自分で考える力を育てやすくなります。
忘れ物をしたときの対応
まず責めずに事実を確認する
忘れ物をしたときは、まず何を忘れたのか、なぜ忘れたのかを確認しましょう。
「なんで忘れたの」
と責めるより、
「何を忘れたの?」
「いつ準備する予定だった?」
「次はどうしたら忘れにくいかな?」
と聞く方が、次につながりやすくなります。
次の対策を一つ決める
忘れ物をしたら、反省だけで終わらせず、次の対策を一つ決めましょう。
例えば、
- 給食袋は玄関に置く
- 宿題は終わったらすぐランドセルに入れる
- 体操服は前日の夜に準備する
- プリントは帰宅後すぐに出す
- 寝る前にチェック表を見る
というようにします。
一度にたくさん直そうとすると続きません。
まずは一つだけ変えるのがおすすめです。
忘れ物をした経験から学ばせる
忘れ物をしたとき、子どもが少し困ることも学びになります。
もちろん、子どもを困らせるために放置する必要はありません。
ただ、忘れ物をした結果をすべて親が回収してしまうと、子どもが学ぶ機会が少なくなります。
「次はどうすればいいか」を一緒に考えることが大切です。
高学年・中学準備として意識したいこと
小学5年生・小学6年生になると、中学に向けて自分で管理する力を少しずつ育てたい時期です。
中学校では、小学校より提出物や持ち物の管理が増えます。
ワーク、ノート、プリント、部活の持ち物、テスト範囲表など、自分で確認するものが多くなります。
小学生のうちから、
- 連絡帳を見る
- プリントを出す
- 明日の準備をする
- 提出物を期限までに出す
という習慣を作っておくと、中学生活に入りやすくなります。
中学入学前の準備については、「公立中学入学が不安な親へ」でも詳しく解説しています。
忘れ物が多い状態が続くときの注意点
忘れ物が多いこと自体は、小学生にはよくあります。
ただし、次のような状態が続く場合は、少し丁寧に見ていく必要があります。
- 毎日のように大事な物を忘れる
- 何度仕組みを作ってもまったく改善しない
- 学校でも困りごとが多い
- 宿題や提出物を極端に忘れる
- 片付けや準備がとても苦手
- 本人も強く困っている
- 忘れ物を責められて自信をなくしている
このような場合は、家庭だけで抱え込まず、担任の先生に学校での様子を聞いてみるのもよいでしょう。
必要に応じて、スクールカウンセラーなどに相談することも考えられます。
大切なのは、子どもを責め続けることではなく、子どもに合った仕組みを見つけることです。
親の声かけ例
忘れ物が多い子には、責める声かけより、次の行動につながる声かけが役立ちます。
「何を忘れたか一緒に確認しよう」
「次はどこに置いたら忘れにくいかな」
「明日の準備を先に終わらせよう」
「チェック表を見ながらやってみよう」
「今回は忘れたけど、次の工夫を考えよう」
「自分で気づけたのはよかったね」
反対に、
「また忘れたの」
「本当にだらしない」
「何回言えば分かるの」
「どうしてこんな簡単なことができないの」
といった言葉は、子どもの自信を下げやすいので注意しましょう。
まとめ
小学生の忘れ物が多い原因には、さまざまなものがあります。
例えば、
- 持ち物を確認する習慣がない
- 何を準備すればいいか分かっていない
- プリントや連絡帳を出さない
- 朝の準備がバタバタしている
- 親が全部準備している
- 注意されすぎて聞き流している
といったものです。
親ができる対策は、
- 前日の夜に準備する
- 持ち物チェック表を作る
- 物の置き場所を決める
- 帰宅後の流れを決める
- 子どもが準備し、親は確認役に回る
- 忘れ物をしたら次の対策を一つ決める
ことです。
忘れ物をした子を責め続けても、なかなか改善しません。
大切なのは、子どもが自分で準備できる仕組みを作ることです。
少しずつ、忘れにくい環境と習慣を整えていきましょう。